思わず、みとれてしまった。
ヤバイヤバイ、落ち着かないと。
「課長、起きてください。
風邪ひいちゃいますよ」
「ん・・・ああ、悪い、いま起きる」
その、幼く見える寝起きの顔、反則ですよ。
「新しい歯ブラシ、洗面所に置いてありますから」
「サンキュー」
課長は歯をみがくと、
「おやすみ」
と言って、ソファーで寝ようとしたから、
「あっこっちです、弟の部屋でよければ」
とっさに、課長の手を握ってしまった。
気まずい沈黙が流れる。
「あっ、わっ、すみません!」
あわてふためく私を、まるで違う生物を観察するような目で見ながら、
「そんなに慌てなくてもいいだろ」
私の頭をポンポンとなでた。
だから、そういう勘違いしちゃうようなマネ、しないでよ。
その言葉を飲みこみ、
「おやすみなさい。
冷蔵庫にあるペットボトルは、飲んで構いませんので」
ドアをパタンと閉めた。
ヤバイヤバイ、落ち着かないと。
「課長、起きてください。
風邪ひいちゃいますよ」
「ん・・・ああ、悪い、いま起きる」
その、幼く見える寝起きの顔、反則ですよ。
「新しい歯ブラシ、洗面所に置いてありますから」
「サンキュー」
課長は歯をみがくと、
「おやすみ」
と言って、ソファーで寝ようとしたから、
「あっこっちです、弟の部屋でよければ」
とっさに、課長の手を握ってしまった。
気まずい沈黙が流れる。
「あっ、わっ、すみません!」
あわてふためく私を、まるで違う生物を観察するような目で見ながら、
「そんなに慌てなくてもいいだろ」
私の頭をポンポンとなでた。
だから、そういう勘違いしちゃうようなマネ、しないでよ。
その言葉を飲みこみ、
「おやすみなさい。
冷蔵庫にあるペットボトルは、飲んで構いませんので」
ドアをパタンと閉めた。


