退社時間近くになって、私から伊勢くんに、
「何かできることある?」
って聞いたら、伊勢くんはパソコン画面から目を離し、
「それは俺のセリフだよ」
ちょっと怒った顔してつぶやいた。
「伊勢くん、何もないなら帰るよ」
「あるって、これ頼むよ」
「わかった」
今は無心で、仕事がしたかった。
人間関係でもめてて、仕事もできないんじゃ話にならないし。
「おい、もう19時になるぞ、そろそろ切り上げろ」
霧島課長の声で、伊勢くんと私は時計を見た。
「お先に失礼します」
「お疲れさまでした」
「おう、お疲れ」
流れで、伊勢くんと二人で退社することになった。
会社を出ると、冬になりかけの風が顔をなでた。
「俺んち来いよ、話あるから」
「うん」
会社を出てから伊勢くんちの最寄り駅に着くまでは、ただの同期のフリしてたけど。
最寄り駅を出たとたん、伊勢くんは私の右手を優しく握った。
「何かできることある?」
って聞いたら、伊勢くんはパソコン画面から目を離し、
「それは俺のセリフだよ」
ちょっと怒った顔してつぶやいた。
「伊勢くん、何もないなら帰るよ」
「あるって、これ頼むよ」
「わかった」
今は無心で、仕事がしたかった。
人間関係でもめてて、仕事もできないんじゃ話にならないし。
「おい、もう19時になるぞ、そろそろ切り上げろ」
霧島課長の声で、伊勢くんと私は時計を見た。
「お先に失礼します」
「お疲れさまでした」
「おう、お疲れ」
流れで、伊勢くんと二人で退社することになった。
会社を出ると、冬になりかけの風が顔をなでた。
「俺んち来いよ、話あるから」
「うん」
会社を出てから伊勢くんちの最寄り駅に着くまでは、ただの同期のフリしてたけど。
最寄り駅を出たとたん、伊勢くんは私の右手を優しく握った。


