悪役は恋しちゃだめですか?



けれど私は二人が喋っていたからといって弱気になんてなったりしない。

ただ喋っているだけ。
そこに恋愛感情はないかもしれないから。

不安だったら自分が喋りかけにいけばいい。



「ねえねえ、奏君!」


「おう、坂井。どうした?」



ほらね、話しかけるとすぐ二人の会話が中断される。

ちょっと勇気を出して行動すれば嫌なものなんて見なくてもいいんだよ。


「あのね、ここの髪さっき友達にグチャグチャにされたんだ。私髪の状況がよく分からないから困ってるんだけど……」


そう言ってクルッと後ろを振り向く。

すると少しボサボサになった私の髪が奏君の前に現れた。


これはここに来る前に事前に仕込んだことなんだけども。


「しょうがねえな」


すると狙い通り奏君は私のボサボサになった髪を手櫛でととのえてくれた。



「ありがとう!」


満面の笑みで奏君にお礼を告げると、奏君は負けないくらいの満面の笑みを返してきた。



ああ、もう満足すぎる。