華音達が来たのはこの町一番の高級焼肉店「こんがり」

ここのお店は高級な肉を使う為、値段がとても高く、一般家庭ではなかなか来ることは出来ない。

しかし、今回は初任務を終えたばかりということで玄之介が奢ってくれるとの事。

二人は座敷に座り注文を取り、一息つく。

「それじゃあ華音の入隊祝いという事で、カンパーイ!」

「まだ飲み物来てないですけどカンパーイ!」

テンションの高い二人。この日、憧れの忍者となった華音は勿論、今まで一人寂しく任務をしていた玄之介も嬉しいのだ。

「いやー、しかしこれで楽しく任務が早くできる!今まで一人だったから寂しかったんだよな・・・」

「今まで玄さんに部下っていなかったんですか?」

頼んでいたビールが届いて、それをグビッと飲む玄之介。

「いた!でも忍者に幻滅してすぐに辞めていった!まぁ、ボランティアばかりだとそうなるわなぁ・・・。」

二人は注文していた肉が届き、それを焼きながら話す。

「でも、ボランティアばかりでも無いんですよね?」

「当然だ!ライバルの伊賀の奴らと忍法勝負もするし、国家機密に関する事もある。お偉いさんの不祥事を揉み消す汚れ役もするぞ。」

焼いた肉を美味しそうに頬張りながら二人は話す。

「忍法ですか!?あの分身の術とか使えるんですか?」

「そんな高等忍術は俺には出来ない、旋風の術とかドロンの術ぐらいとかの簡単なのしか出来ないな。」

途端に真顔になる玄之介の顔を見るからに忍術はあまり得意では無いのだと察する華音。

「じゃあ玄さんは忍術苦手で、忍術対決は弱いんですか?」

「使える忍術は確かに弱いけど、俺には必殺忍法あるからな!ただ、それは普通の人には出来ないし、教えることは出来ないがな!」

上司として、これだけははっきりと言った。・・・と玄之介が気がついたら肉が焦げていた。

「へぇ、このお肉美味しいですね」

聞き流す華音。それを見て、少し残念そうな顔をする玄之介。