あの場で私は忍者になると即答してしまった。あの時は唐突だったし、でもこの機会を逃したら2度となれない思ったから即答しちゃったけど、本当にこれで良かったのかな・・・怪しい仕事じゃないのかな?

その事を考えながらくノ一装束を着て、私は夜の公園でさっきの覆面をした忍者を待つ。

あの後、夜の8時に公園で待ち合わせと言われたから待っているんだけど・・・まだなのかな?

・・・と思ったらドカドカと走ってくる覆面忍者がやって来た。

「何とか約束の時間に間に合った・・・」

忍者さんはゼェゼェ言いながら、呼吸を整える。

しかし、そんな姿を見て私は笑顔が出てしまった。

「何だか、やっぱりいい人そうですよね」

私はこの人の事を知っている。毎週の様にバイト先に着て私を指名してくれた優しい忍者さん。



しばらくして、私たちは公園のベンチに座って自己紹介をする。

「改めて自己紹介をしよう。俺は甲賀の忍者、甲賀玄之介だ。一応上忍で、今は任務やスカウトを担当している。」

「あ、私は狩村華音です!17歳で、特技は折り紙で手裏剣作るのとお料理です!」

お互いに自己紹介を終えると握手をした。

「とりあえず忍者としての任務をこれからやるんだが、なぁに難しいことは無い。現代の忍者にはそうそう暗殺や破壊工作なんて無い。町の治安維持とか、隠れた犯罪者を見付けるのが仕事だ。」

華音は緊張しながら言う。

「今日は一体何をするのでしょうか?」

「まあ着いてきなって」