「はぁ・・・そうなんですか。一般人に知られたらいけないって事は忍者の世界って相当どす黒い事をする世界なんですか?」

「むしろ忍者がどす黒くないと思うケロ?暗殺や諜報活動、政治家が起こした事件の揉み消し、時には国家機密となる事もやっている。戦国時代が好きな華音には分からないと思うケど、現代の忍者はフィクサーみたいな事も平気でやっている。そして莫大な援助金を貰っているんケロ。」

ケロちゃんが長々と語ります。とてもじゃないけど私ではよく分からない単語が出てきます。

「あ、あの〜」

「何だケロ?」

「フィクサーって何ですか?」

「あぁ、まあ普通の女子高生は知らんケロな。フィクサーってのはな、莫大な資金力、圧倒的な政治力、異常なまでの人脈を使って揉め事の調停をしたり、裏で政治家や銀行を操ったり、他国との会議を成立させたりする人だな。昭和の時代・・・それこそ発展途上中の日本には何人かフィクサーはいた。確か三代前の甲賀の里の棟梁は裏社会を操ったていたし。その当時から忍者は資金に苦しんでいたが、その時の棟梁は人脈と政治力を上手く使い金を得ていた。」

話が難し過ぎて華音はあくびをした。お金絡みの難しい話はよく分かりません・・・と呟く。

「そのフィクサーって今はいないんでしょ?」

「確かにいないケロ。だが、その地位に最も近い人ならいるケロ。今の伊賀の里の若き棟梁である女性。おめぇの上司と同い年ケロ。そいつは平成の魔神と言われて、既に国家の揉め事を揉み消して莫大な資金を手にしている。つまりケロ、甲賀より伊賀の里の方が格上なんだケロ。」

えーと、よく分からないけど伊賀の里の棟梁が平成の大魔人佐々木で金を持っていて・・・えーと・・・。

混乱する華音。いきなり長々と難しいことを説明されて高校生が理解できるはずがない。

「あー、すまんケロ。女子高生には難しいすぎるケロな。要約すると最近の伊賀の里マジやべぇから喧嘩売られても気にすんなってことケロ。」