ーー「えっ、遥1人なの?」
終業式が終わり、教室に戻る途中に私は凛に話した。
「うん、そうなの……。
だから凛、泊まりに来ない?」
「いいの?行きたい!」
「本当?じゃあ決定で!」
凛が行きたいと言ってくれて私は嬉しかった。
良かった……。
これで夜は1人じゃないし、何より凛と一日中遊べる。
そう思っていたら………
「あ、待って!」
と凛が言い、ニヤリと笑った。
その笑顔を見て、嫌な予感しかしない。
「な、何…………?」
気づけば教室に着いていた私たち。
そして凛は教室に入るなり、
「武本くん、木下くん!ちょっと来て!」
と言った。
それもクラスのほとんどの人がいる中で。
その声に2人は反応した。
木下くんは苦笑いしながらこちらに来たかと思えば、大輝くんは不機嫌そうな顔で来た。
それでも凛はにやけ顔のまま。