冷たい彼は私に溺愛





だから私は簡単に大輝くんに話した。


「うん。なんからさっきの大輝くんが一瞬中学時代に同じクラスだった男の子と重なって見えたの。」


そう言ってハッとする私。


大輝くんとは違う男の人の話をしてしまった、と。


大輝くんが怒るかな?と思ったけど、彼は普通だった。


「へぇ。その人は、どういう人だったんだ?その話、もっと聞かせてほしいな。」


というかむしろ食いついるように感じる。


まぁ気のせいだろうと思いながらも、私は大輝くんにさっき考えていたことを全て言葉にして伝えた。


「……だから、みんなはその人のことを嫌だって言うんだけど、どうしても私には理解できなくて。


だって勉強を教えてくれたり、私に任された仕事も手伝ってくれる良い人なのに。


それを言っても、私に気があるんじゃないの?可哀想、とかって酷いことを言ってきたんだよ?


だからそういう人とはもう仲良くなりたくないなって思ったから高校になってから一度も連絡とってないや。」


大輝くんは真剣に、そして何故か口元を隠すようにして私の話を聞いていた。


「確か名前は……………あっ、思い出した。
武本くんだ。そういえば、大輝くんと一緒の苗字だ!」


その人の苗字を思い出し、スッキリする私。
下の名前は………思い出せなかったけど。


「それに武本くんもね、大輝くんと同じですごく賢いの。毎回学年一位で、すごいなぁって。


武本って苗字の人は全員賢いのかな?」


そう言うと大輝くんは急に笑い出した。
「どこまで馬鹿なんだよ遥は。」


急に笑い出して馬鹿扱いする大輝くんに驚く私。


「………だ、大輝くん?
なんでそんなに笑ってるの?


………あ、もしかして嫌だった……?
他の男の人に似てたとか言ったから……」


「なんでそうなるんだよ。
まぁ、いいや。」


なんて言いながらまだ笑っている大輝くん。
多分怒ってはない……よね?


じゃあなんで笑ってるんだろう。
理由がどうしてもわからない。


「俺、そういうところも含めて遥の全部が好きになったんだ。」


大輝くんのこの言葉の意味を理解するのは、もう少し先のこと………。