ーーそれから少しして私たちは教室へと戻った。
教室に戻る途中に私は大輝くんに1つ、気になることを聞いた。
「大輝くんっていつからいたの?」
「は?最初からに決まってんだろ。」
「………えっ、最初から?
もしかして……こうなることがわかってたの?」
「……どう考えても手紙の内容的にそうだっただろ?字だって女っぽかったし何となく予想ついた。」
本当に大輝くんは探偵でも目指せるんじゃないかってくらい鋭いなと思った私。
「じゃあ始めから、知ってたんだ。」
「遥、学校着いてから視線とか一切感じなかったのか?あの3人組、最近俺たちのこと頻繁に見てたぞ。」
う、嘘……!?
全然気づかなかった……。
「だから証拠の動画や写真でも撮らないと、ああいうやつはずっと遥を傷つけるって思ったから俺も行動に出た。」
そこでようやく理解する。
だから大輝くん、手紙の内容を読んだ後私に『忘れずに行けよ』って言ったんだ!
そこまで考えてたなんて……大輝くんは本当にすごいな……。
「ここまでしたからもうあいつらは遥に何もしないだろ。」
そう言われて私も少し安心した。
もしまたあんなことされたら……と考えるだけで怖かったから。
「まぁ、絶対に俺が守るけどな。」
大輝くんは笑顔を見せる。
その笑顔も、私を安心させてくれた。



