「これ、先生に見せるよりもSNSで流した方がもっと大ごとになりそうですね。」


そう言って大輝くんはにこりと笑うけれど、いつもの優しさは感じられない。


むしろ怖いとさえ思ってしまう、その笑顔。


女の人たちは
「そ、それだけはやめて……!」と、必死で言っていた。


大輝くんは手を下ろし、私の横に来た。
そして私の肩を抱いた。


大輝くんの横顔を見ると、突然彼から笑顔が消えた。


「お前ら自分が何したかわかってんの?」


大輝くんは、私も怖く感じるくらい、ドスの効いた声でそう言った。


彼は確実に怒っていて、女の人たちはビクッと震え、一歩後ずさる。


「だ、だってこの子が、大輝くんを」
「俺の名前気安く呼ぶな。」


女の人の言葉を遮り、有無を言わせない大輝くん。


彼女たちは黙り込んだ。



「まずお前らは遥の優しさを利用して、こんな暑い中ここに呼び出した。


次は言葉で遥を深く傷つけ、泣かせた。
その上遥を突き飛ばして、遥は壁に打ち付けられたんだ。


最後はお前、何しようとした?
………そのバケツに入った水を、遥にかけようとしただろ?」


大輝くんは彼女たちを睨む。