それは………バケツだった。
中身は見なくてもわかる。
「暑い中ここで話ししてごめんね?
涼しくしてあげるから。」
かけられる…………!
彼女がバケツを持ち上げ、私はぎゅっと目を瞑った瞬間………
カシャッ
と、シャッター音が聞こえてきた。
私と3人の女の人たちは音がした方を見ると…………
「だ……」
「大輝くん!?ど、どうしてここに……!?」
私より先にバケツを持つ彼女が大輝くんの名前を呼んだ。
そう………私たちの目の前には、大輝くんが片手にスマホを持ち立っていた。
その表情からは感情が読み取れない。
明らかに女の人たちが動揺している。
すると大輝くんがようやく口を開いた。
「先輩たちは……進学ですか?」
まさか質問されると思ってなかったのか、驚いた表情をする女の人たち。
そして大輝くんは私たちの方へ歩み寄りながらスマホを私たちに見せる。
スマホの画面から、映像と音声が流れ始めた。
『あんたなんか大輝くんにふさわしくないのに……どうして彼女でいられるの!?』
そこには私と女の人たちが映っていて、さっきの内容がほとんど撮られていた。
女の人たちの顔色が悪くなる。



