「それに大輝くんという彼氏がいるくせに今度は爽くんにも手を出して………この男たらし!」


………えっ?


なんでここで木下くんが出てくるの?
男、たらし?


私が……?


「何か言ったらどうなのよ!」


ドンッと思いっきり突き飛ばされ、倒れそうになるけど後ろにあった壁に打ち付けられる形になる。



背中に痛みが走る。


「………っ!」


ダメだ、泣くな自分。
涙が溢れそうになるのを必死に堪える。


「え?なになに?
やっと自分がどれだけ馬鹿なのかわかったの?」


「じゃああんたが今から何をするべきかわかるよねぇ?」


「そうだよねぇ、これでわからないと本当の馬鹿だよ?」


またクスクスと笑われる。


「………一刻も早く大輝くんと別れて?
目障りなの。」



真ん中にいて1番目立つ女の人が一歩前に出る。


彼女はニヤリと悪い笑みを浮かべた。



「じゃあ最後に……暑いだろうからいいものプレゼントしてあげる。」


いいもの……?


彼女の表情と言い方を見ると、嫌な予感しかしない。


すると彼女の右後ろにいた女の人が、後ろに隠すように手に持っていたものを彼女に差し出した。