大輝くんのところへ戻る途中に、何人かの女の子が
「あの人かっこよかったねぇ!」
と言ったのを耳にし、私は少し不安な気持ちになる。
もしかして……?
私は急いだ。
でもその時にはもう遅くて………
大輝くんの姿を見るなり私はその場で固まった。
すでに女の人に捕まっていたのだ。
「お願い!いいでしょ?」
「そんなにカッコよかったら浮気しても彼女、離れないって!」
………女の人の言葉が私に突き刺さる。
確かに大輝くんはかっこいいしモテるから、私に飽きたら………浮気、しちゃうのかなって。
そんなことないとは思うけど、大輝くんのこと好きな女の人って多いから………。
考えただけで胸が痛む。
なんとも言えない複雑な感情が私の心に入り混じった。
もやもやする………。
なんか、言葉では言い表せない、この気持ち。
「………それ、違いますよ、逆です。」
この複雑な感情に戸惑っていると、大輝くんの声が聞こえてきた。
でもその声にはいつもみたいな冷たさが含まれておらず、少し離れているけど大輝くんがニヤッと笑っているのが見えた。
「俺が彼女のこと離さないんで。
残念ですけど、俺は彼女しか好きになれないんですよ、すみません。」
明らかに上機嫌の大輝くん。
そして私の視線に感じたのか、私の方を見た。
「じゃ、彼女きたんで行きますね。」
ぺこりと頭を下げ、彼は私もとに来る。
「ごめん、捕まってた。」
「あ、ううん、全然大丈夫!」
なんて言うけれど、なんでそんなに機嫌がいいのか気になる私。



