冷たい彼は私に溺愛





「………綺麗……。」



大きな水槽の中で自由に泳いでいる魚たち。



辺りは暗いのに水槽の中は明るく、淡い水色のように輝いていてとても幻想的に見える。


私はどんなショーなんかよりも、この空間が1番好きなんだ。


だから今もこうして幻想的な空間にいるようで、魚たちに見とれていたら………


「………。」


さっきから、すごく視線が感じます。
それはまさに隣から。


いつのまにか大輝くんの服を掴んでいたはずの私の手は無意識に離していて、自分でも反省している。


でも、何で大輝くんは私の方を見ているの?
魚たちを見た方が落ち着くよ?


………なんて、言えるはずも無く。
私はゆっくりと大輝くんの方を見た。



「やっと、こっち見た。」


大輝くんは子供っぽい笑みを浮かべる。



「え……?」
「ずっと水槽に夢中で俺の方全然見てくんねぇから。」



大輝くんは少し拗ねているようにも感じられる。


思ったよりも2人の距離は近くて私は顔を背けそうになるのを大輝くんに止められた。



「俺から目そらしたらダメだから。」



言葉でそう言われただけなのに、まるで金縛りにあったかのように動けなくなる。