冷たい彼は私に溺愛





なんて、思っていたら。



大輝くんが私の手に触れた。



そして触れたかと思えば今度は包むように、自然に私の手を握る。



「………っ。」


今歩いてるのは人通りが多い道。
そんな中で手を繋がれたら……みんなに見られてしまう。



ほら、すごく視線を感じる。


「可愛すぎる遥が悪い。
これでも我慢してる方なんだからな。」



私はこんなこと慣れないから、手を繋がれるだけで心臓がうるさくなる。



だからキスする時なんか、人ってこんなに心拍数あがるの!?ってくらい心臓が暴れだすんだ。



でも………



不釣り合いな私とこんな人前で手を繋いで、大輝くんは嫌じゃないのかな。




「あの子彼女かな?」
「えー、それはないでしょ。もしかしたら家族じゃない?」
「それにしては似てなさすぎじゃない?」



ヒソヒソと近くで声が聞こえてくる。
いやでも耳に入ってしまうんだ。



「だよね〜。
じゃあ何なんだろ?本当に彼女?」
「いやぁでも………もっと綺麗な人と付き合ってそう。」



その言葉に胸が痛む。



私は手を離そうとした時、突然大輝くんが手を離したかと思えば、今度は大輝くんの顔が近づいてきて………



唇に何かが触れた。




「えっ、うそうそ。今キスしたよ!?」
「じゃあ本当に彼女じゃ……」



え、キス……?
今大輝くんは私にキスした……!?



私は大輝くんを見る。
すると彼はヒソヒソ話してた女の人の方を見ていて……


私から彼の表情は見えない。



「………ひっ!やばいこっち見てる……」
「ねぇすごい怒ってない?聞こえてたのかな……」



いや、その声も聞こえてるから。
と、心の中で突っ込みを入れる私。


そして女の人たちは足早に去っていった。



ていうか……冷静になって思ったんだけど……



私、今キス、されたんだよね?



こ、ここで……?
みんなが見ている、前で……!?