「まずメイクして、可愛い格好するでしょ。
まぁそれは当たり前よね。」



「メイク!?無理無理、したことないよ。」
「大丈夫。私がしてあげるから。」



うーん、それなら………って私、凛の思い通りになってない?



「あとはデート中にすることだね。
例えば遥から武本くんの服を掴んで上目遣いしたり、手を繋いだり、抱きついたり…………最後には自分からキスしたり。



あ、でも場所を考えなよ?
人がいなかったらさすがの武本くんも理性吹っ飛ぶと思うから。」



最後の言葉は私の頭に入ってこなかった。



だって、凛は今………



私から、キスしろと………そう言ったよね?




そんなのできない!と、否定の言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡る。




「絶対無理だよ!私にそんな勇気なんてないし、恥ずかしいし………。」




「遥、たまには武本くんを照れさせたいとか思わないの?」



照れさせる………?



私はたまに見る、大輝くんが照れる顔を思い出してみる。



確かに…………照れてそっぽを向く大輝くんは可愛いし、その時のギャップがやばいんだ。



「あのクールで冷たい武本くんが顔を赤くして照れてるところ見たくない?
そのためには遥の押せ押せが必要なのよ!」



そ、れは見たいかもしれない……。



結局私は凛と作戦を考えることにした。



キスはできるかわからないけど、それ以外なら勇気を出せば大丈夫なはず……。



これも大輝くんに自分の気持ちを伝えるため。大輝くんの気持ちに応えるためだと思い、私は作戦実行を決意した………。