だけどやっぱり喜びは隠しきれなくて、私は大輝くんを見た。
タイミングよく大輝くんもこちらを見ていて、私は笑顔でぐっとサインをした。
順位が上がったのだとわかった大輝くんは微笑んでくれた。
席に戻ると木下くんも結果の用紙を持って戻ってきた。
「河野さん、俺古典でこんなにいい点数とったの初めてだよ、ありがとう。」
席に着くなり、木下くんは嬉しそうに言った。
「本当?役に立てて良かった。」
木下くんの古典の点数も上がり、私の順位も無事上がったから私自身、1番嬉しかった。
これで大輝くんとお出かけができる……!
そう安心したのも束の間………
私はある重大なことに気がついた。
それは、お出かけの場所を決めてないことに。
確か、私の行きたいところで遊びに行くということだったはず。
………行きたいところ……。
私はその日の午前の授業で必死に考えたけど、何一つ思いつかなかった。