「はぁぁ……。」



ため息がでてしまう私。



だって、こんな賢い人が彼氏だっていうのに私はこんなバカで………大輝くん、私が彼女で恥ずかしくないのかな。




「河野さん、ため息なんてついてどうしたの?」



「えっ……!」



後ろから木下くんの声がした。




嘘、聞かれてた!?
そんなに大きいため息だったとか……恥ずかしすぎる。



「いやぁ……テストがやばいなって思って。」



振り向いて私はそう言った。
まぁ、嘘ではないからいいよね。
話したら長くなりそうだから……。




「そんなの俺だってやばいよ?」



なんて言うけど、確か木下くんも賢いはずだ。



「嘘だぁ。木下くん賢いって聞いたことある。学年順位ってどのくらいなの?」




「まぁ順位は一桁だけど………でも俺、古典だけびっくりするぐらいできないから。」



ひ、一桁!?
木下くんも賢すぎる……!



どこまでイケメン2人は完璧なの!?



「そんなの賢すぎるよ!
私はいつも真ん中より下だし………苦手教科ばっかだし……。」




唯一できる教科が古典と現文である。
その2教科だけ、いつも90点以上なのに他が50点前後だから成績が悪い私。



「河野さん、いつも真面目に授業受けてるから絶対に伸びるよ!得意教科はなんかないの?」





「古典と現文しかないや……あとは全然できないんだ……。」




「古典できるとかいいな、羨ましいよ!」
「だけど木下くんは古典以外できるんでしょ?そっちの方がいいに決まってるよ。」




いいなぁ賢いって。
私も木下くんぐらい賢かったらなぁ。





「いやいや、俺本当に古典できないから。
河野さん、欠点とったことある?」



欠点?
さすがにそれは………




「ない、かな。」
「それならすごいよ!俺毎回古典欠点だから。」




ははっと軽く笑う木下くん。
それにはさすがの私もびっくりした。



「嘘……!?
それで学年一桁とか、他の教科どんなにいいの!?」




「本当だよ。俺、こう見えてバカなんだ。」




そう言ったあと、木下くんは何か閃いたような表情をした。