冷たい彼は私に溺愛




少しの沈黙が流れた後、急に木下くんは笑い出した。


「………ははっ。」
「………木下くん……?」


「いやぁ、そういう系の話なのはわかってたけどいきなり本題に入るとは予想外だったな。


もう大輝と和解したのかぁ。
結局俺はダメだったな。」


木下くんは力なく笑う。
そしたら急に木下くんが近づいてきた。


一歩下がろうとしたけど、その前に木下くんがコツンと頭を重ねるように優しくぶつけてきた。


「………本当はこのままキスしたいんだけどね、河野さんを傷つけたくないからこれで我慢するよ。」


「木下くん………」


どうやらわかってくれたらしい。


「たくさん傷つけてごめんね。
大輝と喧嘩したらいつでも俺のところに来ていいから。」


木下くんはそう言うと私から離れ、最後に笑顔を見せた後


「じゃあね。」
と言い私に背中を向けた。


「木下くん……!また明日……!!」
と私も最後に声をかける。


そのまま木下くんは帰っていった………。