「その………だ、大輝くんが好きです……!
今は友達からでもいいんで私と仲良くしてほしいです………!」


人がいない校舎の最上階の廊下で2人は話していた。


私たちは近くの階段の所で隠れていた。


後輩と呼ばれていた子の必死さが声だけで伝わってきた。


私なんかよりまっすぐ思いを伝えられる方がよっぽどいいよね………。


「そういうの迷惑だから。」
「………っ!」


今度は大輝くんの冷たい突き放すような声が聞こえてきた。


「………な、んで………もう彼女さんとは別れたんですよね?さっきだって彼女さん、大輝くんのこと」


「俺は遥のこと好きだから向こうが好きじゃなくても別に関係ねえ。」


「それでも、彼女さんが好きじゃなきゃ結ばれませんよ……!?」


「あぁ、残念だけど遥も俺のこと好きだから。だけど俺に悪いとかなんとか言って、なかなか本音言わねぇだけだから。


だから俺は待ってんの。
遥から好きって言うの。」


……………あぁ………私は、馬鹿すぎる。


大輝くんは私のことを好きでいてくれているのに、私は中途半端な気持ちから逃げ出そうとした。