教室に着くとドア付近に人が二人立っていた。
1人は高1の時に同じクラスの子で、もう1人は誰だろうか……
「いいじゃん!元同じクラスの子の頼みぐらい聞いてよ!私の後輩が武本に話があるんだって。」
武本………大輝くんのことだ。
じゃあこのもう1人の子はこの子の後輩か。
小柄な子で可愛らしいな。
そう思っていたら、とんでもなく低くて冷たい声が聞こえてきた。
「めんどくせぇ。行くわけないだろ。」
これは、大輝くんの声だ。
ずっと忘れていたけど大輝くんは冷たいんだった。
もし、私に対しても冷たくなってしまったら…………
そんなの絶対に嫌だ。
でもそんなの勝手でわがままだよね。
「いいでしょ…………って、遥じゃん!
ねぇ遥もなんとか言ってよ。武本を呼び出すのに説得して〜!」
ここに来て私の存在に気づかれた。