「本当に1人もいなかったの?好きな人。」
なんて返したらいいのかわからなくて、こういうことを言ってしまった。
「信じてくれないんだ。本当だよ?
河野さん好きになって気づいたこととかいっぱいあるし。」
終始笑顔で話す木下くんの感情はわからない。
「気づいたこと……?」
「例えば欲深い人間だったり、人よりちょっと重かったり。俺ってこういうタイプなんだなって気づいた。」
…………ん?
欲深くて重い?これのどこが恋に関係あるんだろう。
「わかってない顔だね。」
「ちょっと私には難しいみたい………。」
木下くんは賢いからバカには伝わらないことも多いなぁ。
「無理矢理わからせてやろうか?
俺がどういう人間かって。」
木下くんはまた笑うけれど、これは危険だと私は思った。
「だ、大丈夫……!」
と断った時、スイーツが運ばれてきた。
「お待たせしました〜」
「うわぁ。すごい……!」
「河野さんが頼んだの、生クリームがすごいね。」
私はスイーツに目を奪われていたけど、店員は木下くんに目を奪われていたようだ。
じぃーっと見つめていた。
その視線に気づいてないふりをしていた木下くんだが、耐えられなくなったのか店員の方を見た。
「あの、どうかしましたか………?」
爽やかな笑みで。



