ーーその後すぐに大輝くんは体育館に入っていった。
私はというと、大輝くんが一番前で見ててって言われたから一番前まで来ている。
まあ大輝くんの後ろをついていって前に来たんだけどね……。
もちろん隣には凛もいる。
大輝くんが体育館に入ってすぐに試合は行われた。
3対3の対決で、大輝くんと木下くんはそれぞれ違うチーム。
試合は互角で点の取り合いだった。
しかもほとんど大輝くんと木下くんの対決のようなもので、この2人しか点数をとっていないから1対1みたいになっている。
残りの4人はこの2人について行くのがやっとのようだった。
4人も運動神経はいい方なはず。
だけど大輝くんと木下くんがずば抜けているのだ。
そして昼休みの時間が残りわずかとなった時。
「次に最後にきめた方の勝ちにしよう。」
と、木下くんが言った。
最初は大輝くんチームのうちの1人がボールを持っていたけど、木下くんにとられ、一気に不利になる。
でも大輝くんが木下くんの前に立って、お互い一歩も譲らない。
そして最後には………
一瞬の隙をついて大輝くんがボールをとり、最後は綺麗なシュートで試合は終わった。
「キャアアッ!」
「すごくいい試合だったね!」
「どっちもかっこよすぎでしょ……!!」
試合が終わるなり、黙っていた女の子たちが口々に話し出す。
でもそんなことよりも私は………
「凛……。」
「何?」
「どうしよう………かっこよすぎて倒れそう……。」
大輝くんに見惚れていた。
だって最後…………不利な状態で大輝くんがボールを奪ってシュートをきめたんだよ?
それで大輝くんのチームが勝ったし………
本当にかっこよすぎだよ……!!
もちろん木下くんもすごかったし、かっこよかったけど………
それでも私の視界に入るのは大輝くんばかりで、無意識に大輝くんばかり目で追っていた。