「それでも………私は……」
「しーっ。それ以上は言わせないよ。」
『それでも私は大輝くんが好きなんだ。』
そう言いかけた時、木下くんの人差し指が私の唇に置かれた。
「………っ!」
「大輝と別れた今がチャンスなんだから、逃すわけないよね。」
爽やかに笑う彼だけれど、声は本気だった。
私はまず木下くんから逃げなければならない………。
木下くんのペースに飲まれてしまったら終わりだ。
まずは木下くんをどうにかしないと、嘘の情報ばかり広まってしまう……!
それに、大輝くんに誤解なんかされたら…………
「河野さん、今日の放課後予定空けといて。
デートでもしようよ。」
満面の笑みで私を見る木下くん。
「………ダメ?」
あぁ、木下くんは知っている。
私が頼みごとを断れない性格をしているということに…………。



