「遥……。」


大輝くんが私の名前を呼ぶ。


それだけなのに、泣きたくなるくらい苦しくなった。


ゆっくりと大輝くんの方を見る。


「本当なのか…?」


大輝くんの言葉にただ事実であることを認めるために頷いた。


すると大輝くんはこちらに歩いてきて私の腕を掴んだ。


「大輝くん……?」
「ちゃんと話してくれないとわからねぇから。」


そう言って私は引っ張られる。


でもそれは大輝くんとは…………逆の方向に。