冷たい彼は私に溺愛




「もういい……!!最後まで私はこの女の敵でい続けるから!!」


そう言うと乃亜ちゃんは教室とは逆方向へと歩き出した。


それが不自然で疑問に思った。


確か、そっちは…………


『この女の敵でい続けるから!!』


気付いた時にはもう遅かった。


「ねぇ、武本くん。
あの女、浮気してるよ?」


そう言うと乃亜ちゃんはスマホの画面を大輝くんに見せていて………


大輝くんは目を見開いていた。


「は……?」


「その様子じゃ武本くんに言ってなかったみたいだね。隠し事してるって……本当に付き合ってるの?少なくとも武本くんに黙って爽とこんなことしてるから。」


きっと、昨日私に見せた写真だろう。


でも私は隠すつもりなんてなかった……ちゃんと話すつもりだったから……。


乃亜ちゃんは満足そうに笑って、方向転換し、自分の教室へと向かった。


少しの間、時間が止まったように感じられた。