冷たい彼は私に溺愛




ーー保健の先生は何があったのかを聞かずにタオルや着替えを用意してくれた。


暖房が効いていて保健室の中は暖かい。


だいぶ体が動くようになり、ゆっくりだったけど着替えを済ました。


木下くんは寒い中、私が着替え終えるまで外で待っていてくれた。


「………本当に先生に知らせなくていいの?」


保健の先生は心配そうな顔で私に聞いたけど、話を大きくしたくなくて私は首を振った。


「河野さん、何されたかわかってる?」
「………わかってるよ………でも、全部が全部その人たちが悪いわけじゃないから。」


これや見栄を張っているわけじゃなくて、本心。


乃亜ちゃんはきっと木下くんが好きなんだろうな。


その想いが伝わってきた。