冷たい彼は私に溺愛




もし今日一日誰も気づかないままだったら?


私はどうなるんだろう。


ただただ縮こまりながら、助けを求めることさえもできなくて。


時間だけが過ぎていく。


…………どれくらい経っただろうか。


そろそろやばくなってきた。
寒いという感覚さえもなくなってきて。


誰でもいいから……助けて………。


そう思うけれど、やっぱり頭に浮かぶのは大輝くんで。


彼を思い出すと涙が出そうになる。


あぁ、どうせならこのまま意識を失いたい。


それで次目が覚めた時にはここじゃなくて違う場所ですように……。


ゆっくりと目を閉じた。


だんだんと、意識が遠のいていると………
誰かの足音が近づいてきた。


最初は気のせいだと思ったけれど、足音は確かに大きくなる。


そしてガタンと音がなり、私は閉じた目を少しだけ開けた。


誰かが、助けに来てくれた……?


「河野さん!!」


あれ、この声は誰だろう。
焦りが含まれていて、大きい声だった。