くすくすと笑う乃亜ちゃんと後ろにいる2人の女の子。
「この前は1つ上の先輩があんたに水かけようとして失敗したらしいけど、私はそんなヘマはしない。
だってあの時は武本くんがいたんでしょ?
残念だけど今回はいないからね、痛い目に合えばいいよ。
みんなの爽に手を出したのが悪いからね。」
そのあとは本当に一瞬だった。
冷たいを通り越して凍るような寒さで痛みさえ感じた。
その時に初めて水をかけられたのだと気づく。
そのまま乃亜ちゃんと女の子2人は体育館倉庫を出る。
最後に悪そうに笑った乃亜ちゃんを見て嫌な予感がし、私も出ようとしたら………
ガタンっと、その前に扉を閉められてしまった。
「乃亜ちゃん……?
やめて……!開けて乃亜ちゃん!」
扉を叩くけれど反応はない。
すると乃亜ちゃんじゃない声が聞こえてきた。
「乃亜、話違うくない?」
「さすがに閉じ込めるのはやばいよ。」
多分この2人は水をかけるだけ、としか言われてなかったのだろう。
でも乃亜ちゃんは……
「うるさい!あんた達も痛い目にあいたいの!?あの女は私の爽をとったの!なんで私じゃダメなの!?
……絶対に許さない。
そこで寒さに凍えてればいい。」
と冷たく、叫ぶように言い放ったあと、足音が聞こえてだんだんと遠のいていった。



