渋々と手を離す木下くん。
「河野さん、今日はすごい強気だね。
だけど俺ももう手加減せずに本気で行くって決めたから。」
少し顔を近づけ、私の目をじっと見つめてきた。
「…………っ、もう読むよ……!」
いけない。
凛の言った通り、木下くんのペースに飲まれてしまった。
いきなり態度が変わった木下くんにうまく対処できない。
せめて大輝くんがいてくれたら…………
あぁ違う、大輝くんを頼っちゃダメだ。
もう私は大輝くんの隣にはいれないから………。
そう考えるだけで胸が痛んでしまう。
自業自得なのに………何言ってるんだ、自分。



