閉じていた目をゆっくりと開ける彼。
そして、
「引っかかったね。」と言っていたずらっぽく笑う。
「起きてたの……!?」
「だってこうした方が油断するかなって思って。
今日ずっと河野さん、俺を避けてくるから……。」
今度はしゅん、と少し落ち込んだ表情をした。
子犬のようでかわいいけれど………もう私はこんな彼に騙されない!
そう思い急いで手を引くけれど、木下くんの力が強く離すことができなかった。
「………なんでそんなに避けるの?」
「だって……!木下くんがあんなことしたから……!」
「そうでもしないと河野さん、俺を友達としか見てくれないよね?」
「だからってあんなことするのはひどいよ……!ほら、英文読もう?手を離して。」
今はみんな英文読むのに集中してるけど、誰かに見られたらどうするの……!?



