「………木下くん……思ったより凶暴な性格してるのか………。
気をつけなよ?くれぐれも木下くんのペースに飲まれたらダメだからね。」
「うん……!これからはいつも以上に警戒する!」
そう言って私は強い意志を見せる。
凛はそんな私を見て安心したような顔をした後、
「そういえば、武本くんとはどうするの……?」と今度は不安そうな顔をして聞いてきた。
「それは………」
一瞬言うのを止まった。
だけどすぐに思ってることを口にした。
「別れようと、思ってる……。」
「えぇ!?うそでしょ………?」
「ううん、本当だよ。
だって他の男の人とそんなことしたのに、付き合うなんてできない。
大輝くんに全部話して終わろうと思って……。傷つけてしまうかもしれないけど……。」
「あんた、武本くんの愛の深さ知ってるでしょ ?ぞっこんなのよ、ぞっこん。
傷つくかもしれないけど、それでも遥のこと好きに決まってるじゃない。」
凛は別れようとしている私を止めようとしてくれた。
だけど、もう決めたことだから……。
「罪悪感があるから……それがある限り、私は大輝くんにいつも通り接することなんてできない。」
「遥………。」
この決断も間違ってるかもしれない。
でも、それでも………
今のまま関係を続けるのは余計こじれてしまいそうで怖かった。
結局私はいつまでも臆病者だなぁ。



