「き、木下くん……?」


そのまま木下くんは近づいてきて、さっきまで少し開いていた彼との距離が縮まる。


「……なんで、警戒せずにここに来ちゃうかなぁ。」


「……………っ。」


その声はいつもより少し低く聞こえて。


「だから河野さんに言わなかったのに。
もしかしたらこういう状況になるかもしれないと思って。


それなのに河野さんここに来ちゃうし。
案の定、今こうして2人きりだしさ。」


重ねられた手に、真剣な声音。


さすがの私もそこまでバカじゃないから、すぐに離れようとしたけど……


重ねられた手に力を加えられた上に反対側の手で私の逃げ道を塞いだ木下くん。


今、私は後ろから木下くんにある意味閉じ込められてる状態になってる……?