「わかりました。」
木下くんが先に答える。
すると先生は
「ありがとう。」と言って図書室を出た。
そして、2人きりになる。
さっきまで自然と話していたのに、急に静かになり沈黙が流れる。
何か話した方がいいかな?
そう思えば思うほど話題が出てこず、黙々と掃除を続ける。
1人あたふたしていると、木下くんの方から沈黙が破られた。
「ここ、暖房効いてるからあったかいね。」
それは何気ない日常的なことだった。
だけどそれが逆に私を安心させた。
「そうだね。教室より絶対あったかいよ。」
「教室はなんであんな寒いんだろうな。」
そこから会話のキャッチボールが続き、途切れることがないまま掃除を進める。



