私は考えるよりも先に言葉にしていた。
「そんなことないよ…………!
引くどころか嬉しくてにやけそうだよ。」
すると大輝くんは私の返しに驚き、笑った。
そして自然に私をふわりと抱きしめる。
「ほんと、可愛すぎなんだって。
そろそろ俺やばいんだけど。」
いつもより少しきつく、彼は私を抱きしめた。
耳元で甘く囁く彼に、私は胸の高鳴りを抑えられない。
私は言葉にする代わりにぎゅっと抱きしめ返した。
私だって、大輝くんのことになるとすぐ恥ずかしくなったりドキドキしたり、感情が変わる。
それも初めて知る感情ばかり。
「私も……言葉にできないくらい大輝くんのことが好きだよ。」
いつもは恥ずかしくて言えないことも、今日だけは勇気を振り絞って言えた。
少しの沈黙の後、大輝くんは
「………だから、それが反則なんだって。」
と言うなり私から離れ、今度は唇を重ねられる。