「だけどさっきも言ったように、今大輝が幸せそうなのは遥ちゃんのおかげなんだよ。
遥ちゃんがいなかったら今も大輝は人と一切関わらなかったと思う。」
その時、ふと何かが引っかかった。
さっき大輝くんのお母さんが言った言葉を思い出す。
『中学の時はまるで自分の顔を隠すように髪や前髪を伸ばして目もいいのに眼鏡をかけたりして……』
その言葉を聞いて、中学で同じクラスだった武本くんの姿が思い浮かんだ。
「遥ちゃんも知ってると思うけど、中学3年で大輝と同じクラスになったでしょ?
それで遥ちゃんは大輝と仲良くなろうとしてて、しまいには大輝を庇ったこともあるんだよね?
それで大輝は初めて遥ちゃんを好きになって、遥ちゃんと同じ高校に行くことにしたんだよ。
それは遥ちゃんも知らなかったんだね。」
大輝くんのお母さんは、まるで私が大輝くんと中学生の時から出会ってるのを知ってるかのような言い方だった。
でも私は知らなかった。
それで今、初めて気がついたんだ……。
大輝くんと武本くんが重なる。
確かに、言われたら大輝くんと重なる部分がいくつもあった。



