冷たい彼は私に溺愛




「大輝って今、人にすっごく冷たいでしょ?
それは人と関わるのが嫌になったから。


その始まりは小学校6年の時、丁度男の子も女の子も思春期に入り始めた頃かな。」


小学校……。
まだそんな幼い時に、大輝くんは人嫌いになってしまったの………?


「もともと大輝はお父さんに似て整った顔をしていて、すっごくかっこよかった。


もしかしたらお父さんよりかっこいいかもしれないわね。」


大輝くんのお母さんはふっと、昔を懐かしむように笑う。


「だから小学校の時からとってもモテて、色々な女の子から告白されてたり言い寄られたりしてたの。


それが嫌で大輝、女の子のことが少し苦手になっちゃって……


だって告白断ったらほとんどの女の子がその場か教室かで泣くんだって。大輝のいる前で。もう女子ってよくわからないって言ってたな……。」


そしてまた、切ない表情になった。


「だけど、ね。
さっきも言った通り、その頃って思春期に入ってる人が多いでしょ?


それで……大輝は男の子には調子乗るなよって言われたり、女の子には最低って言われてたみたいで……


それも、卒業式まであと1ヶ月ぐらいの時にいきなりみんなの態度が一変したらしいの。」


卒業式の1ヶ月前……?
仲がいいと思ってた人たちにそんなこと言われたら傷つくに決まってる……。


「ある日帰って来たら急に私に向かって『俺って調子乗ってるのかな。最低なのかな。』って言ってね……。


その日から大輝は変わっていったの。
中学の時はまるで自分の顔を隠すように髪や前髪を伸ばして目もいいのに眼鏡をかけたりして……


そっちの方が楽だって言うの。
1人の方がましだって。


そしたらみんな、誰も大輝に近づかなくなって結局みんな顔目当て、見た目が大事なんだなって思ったみたいで……それからずっと、人と接するのが嫌で、それは今も変わらない。」


…………そんなことがあったなんて。


私、大輝くんのことなにも知らなかった。
なにもわかってあげられずにいたんだ……。