「……どうした?」
私が呼びかけてから数秒後に反応した大輝くんはやっぱりいつもと違った。
「いや、あの……最近元気ないなって、思いまして………」
なぜか敬語になる私。
すると大輝くんは軽く目を見開いて
「俺、そんなに元気ないように見えるか?」
と言った。
「う、うん……。」
「まじかよ………。まぁ、別に元気ないわけじゃないから。」
「そーなの?」
「あぁ。最近、親父の仕事手伝ってて、疲れてるだけだろうから大丈夫。」
さらりと言う大輝くんに思わずそっか、と言いそうになったけど………
なんか他人事みたいな言い方じゃなかった!?
大輝くんは気にしてないようだけど、相当疲れてるよね……。
だけどお父さんの仕事の手伝いって…
「お父さんの仕事ってサラリーマン?
大輝くん、サラリーマンの仕事の手伝いしてるの?」
「バカか。んなわけねぇだろ。
俺の親父、会社経営してんだよ。」
ば、バカと言われてしまった……!