「何で遥が謝るの?私の方が謝らないと……」


「だって私、凛の気持ちに気付いてあげられなかったから……。」


「ううん、違う。隠してたのは私の方なんだから。それにね、私もうフラれたの。」


最後の凛の言葉に私は驚き、目を見開いた。


「4人で夏休みに遥の家に行ったでしょ?
あの日の帰りに私、木下くんに気持ち伝えたんだ。


そしたら遥が好きだからってフラれた。
だからもう私の恋はどうでもいい。」


凛は私から視線をそらさない。


「……でも、木下くんの恋はどうしても応援したくて。


偽善者と思われてもいい。
それでも私は、応援するって決めたから。


………ねぇ遥、木下くんじゃダメなの?
武本くんが好きなのはわかるけど、木下くんのこともちゃんと考えてほしい……。」


凛の目は本気だった。
いつもの冗談ぽさなんて少しもなくて……。


でも私はどうすればいいの?


木下くんの気持ちを考えたとしても、私が大輝くんを好きなのには変わりない。


「木下くんのこと、男の人として見てあげて?今はそれだけでいいから……。」


凛は泣きそうになりながら、私にお願いしていて。


どう考えても自分の気持ちを押し殺してる凛。


だからこそ余計に………辛かった。


この時、私はどうすればいいのかわからなくて。


「わかった。」としか言えなかったんだ……。