しばらく仕事に集中していると、気づけばあと少しになっていた。
「もうすぐで終わりだね。」
「本当だ。意外と早かったな。」
木下くんは器用だからスピードが早い。
そのおかげで早く終わったんだよ、きっと。
その後はすぐに終わり、最後に先生に渡しに行き、また荷物を取りに教室に戻る。
「この時間って、もう校舎には誰もいないんだな。」
「本当に。みんな帰ったか、部活に行ってるんだろうね。」
誰もいない廊下を木下くんと2人で歩くのはなんだか変な感じ。
慣れないな、なんて思いながら教室に着いて中に入る私たち。
明らかに、油断していた。
だから急に腕を掴まれて後ろに引っ張られた時は本当に驚いたし、こける!と思い目を閉じる。
するとふわりと何かに包まれた。



