ーー次の日。
「お邪魔しました。」
「いえいえ!逆に来てくれてありがとう。」
お昼前に大輝くんは帰って行った。
大輝くんが帰る前。
明日からしばらく会えないなんて寂しいな、と思っていたら。
「夏休みだからって会えばいいだろ。
だからそんな顔すんなって。」
そう言うと私の頭をぽんぽんとし、笑った。
………昨日、大輝くんがお風呂に入る前後から彼の様子がおかしくなった。
私を少し避けるようにも見えたけど、理由がわからない。
「そうだよね。」
なんて言って私は平静を装う。
でも何故だろう。
さっきまで様子がおかしかった大輝くんだけど、今はなんだかいつも通りにも見える。
もしかして、早く帰りたくて家にいるのが嫌だったとか……!?
いや、大輝くんはそんなこと思う人じゃない。
ネガティブ思考になる私。
「じゃあな、また今度。」
「あっ、うん!またね……!」
彼は私に背中を向けた。
遠くなる彼の姿。
それを見て、なんだか寂しくなって呼び止めたかったけど、その気持ちを必死に抑える。
「どうしちゃったんだろう、私………。」
ぽつりとつぶやき、私は家の中へと戻った。