ーー「もう大丈夫か?」


気づけば雷は鳴り止んでいて、今度こそ私は大輝くんから離れる。


「ご、ごめんね!ありがとう……。」
「あぁ。」


大輝くんは素っ気なく返し、立ち上がった。



「じゃあ風呂借りるな。」
「あっ、うん……。」


何故だろう。
大輝くんの様子が少し変だ。


私と目を合わせようとしてくれない。


「あ、あの………大輝くん……?」
「何?」


ほら、今も目をそらして私を見る気配がなくて……


もしかして雷で怖がる私に呆れたのかな!?と不安になる。


そんな私を察したのか、大輝くんはやっと私を見てくれた。



「勘違いすんなよ。今の俺には余裕なんてないから。」


もう、私は大輝くんから目を逸らせない。