「ふぁ、」 なんで耳なんて触ってくるの? 「変な声」 「ビックリしたから……」 「あけてあげようか」 「へ?」 「ピアス」 「だっ、ダメ……」 「怖い?」 「っていうか、校則とか……」 「上の方なら髪に隠れて見えないよ。俺と同じところに、同じサイズの穴あけてあげる」 「ええっ……」 「ホワイトデー。お揃いのピアスでいい?」 そんなこといわれると――。 「……うん」 頷くことしかできない。