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「驚きました。私、須藤さんに一目惚れして、告白するためにアメリカにまで行ったことになってたなんて」

「悪かったって。必死で誤魔化してたら、収集つかなくなったんだよ。
それに、また彼女のふりして貰おうなんて思ってなかったし」


やっとふたりきりになり、彼女役から解放された帰り道。


私は、須藤さんに悪態つく。
これくらいの態度は許されるはず。


それから須藤さんは自販機で酔い覚ましに緑茶を買ってくれて、飲みながらふたりで私のマンションへと歩く。

偶然にも須藤さんのマンションの私のマンションは近くらしく、最寄り駅も一緒だった。


ある程度須藤さんに悪態をついて気が済み、たわいもない話をしながら歩いていると私のマンションが見えてくる。


「本当に今日は助かった。巻き込んで悪い」

「いいですよ。美味しいご飯も食べられましたし」


最初は緊張したけど、意外と楽しかった。