見つめられて感じた先輩の嫉妬に、なぜか顔には熱が集中し始める。


たまに見せる、そういう子供っぽいところ、嫌いじゃないよ。


けどさ、先輩。

それって自分でなに言ってるか分かってる?


こんなの、好きって言われてるみたいで。
ひどいことされてるのに、悪い気しないじゃん。


もしかして、このドキドキしてる心臓は
ミア先輩を欲しがってるのかな?


よく分からない。でも、やっぱり。



ーー嫌じゃない。



「それ、男避けね。」


勘違いしていた。

襲われるんじゃないかって。


けど先輩は意地悪はするけど、そんな酷いことする人じゃないって知ってたから。

上手く抵抗できなくて。


ミア先輩はポンッと私の胸元を叩くと。


外されていたはずのネクタイが、元の形に締められ戻っている。


そのネクタイは私のじゃない。


ミア先輩の、黒いネクタイだ。