「単刀直入に言います。
 優愛さんって、ミア先輩のこと、まだ好きなんですか?」



店員さんにドリンクを頼んでから、テーブルに出されるまでの数分間。

私たちは無言だった。


だけど

店員さんがコップをテーブルに置いて
後ろ姿を見せた瞬間から口を開き始め、制限時間なしの勝負が始まる。



「……好きって言ったら、どうするの?」


私の言葉に
コーヒーが入っているカップに口をつけようか迷いながらも、先に言葉を吐き出す優愛さん。



「ナンパから助けてもらったお礼がしたいなんて、嘘ですよね?」


「当たり前でしょ。
 "ああ"言わないと、美秋が詩ちゃんと二人っきりにしてくれるわけないと思ったから」


「……やっぱり」


「でも美秋、警戒心強いから。
 どっちにしろ、詩ちゃんと二人っきりにしてくれるわけなかったし。
 だけど、まさか詩ちゃんから私に話があるなんてね」


「ミア先輩のこと、どう思ってるか聞きたかったから」


「……」


「好きなんですよね、先輩のこと」