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近くを歩いていたこともあって、話をするために入った場所は、さっき先輩といたレトロモダンな喫茶店。
店員さんがさっききていた私にペコリとお辞儀をしたかと思えば、「お久しぶりです」の優愛さんの明るい声。
店員さんも、「お久しぶりです」と優愛さんに向かって笑った。
「ここ、美秋と付き合ってた頃。よく来てたの」
くるりと振り返って、ニッコリ言われてしまった。
「私もさっき先輩とここでお喋りしてました」
「美秋、相変わらずこの場所がお気に入りなんだね」
「ミア先輩、好き嫌いハッキリしてるから、気に入ってるモノや場所にしか興味なさそうですもんね」
「そうそう!そういうところが好きだったのー!」
空いている席に対面に座るけど。
お互い顔は笑っているのに、心はバチバチにバトル中。
さすがミア先輩の元カノ。
先輩のことなんだかんだ分かってるところが、むかつく。
これは一歩も譲らない闘いになりそうだ。


