【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。







「謝るってことは、俺が言いたいこと、ちゃんと分かってるんだよね?」



ピンッとデコピンされたおでこが痛い。

でも、泣きそうな私に優しくなる先輩は、ふっと笑って慰めるように抱き締めてきた。



「ううっ……ミア先輩はアメとムチの使い方が上手くて……ズルいです」


「天沢ちゃんが俺を怒らせるような事言うからじゃん?」


「だって……ミア先輩が私を嫉妬させるようなことするから……」


「嫉妬?」


きょとんとした顔で私を見る先輩は、なんにも分かってない。


思えばパラソルの下で抱き合ってる私たちなんて
他人の目から見たら、ただのバカップル。


急に冷静になって、ミア先輩の胸板を軽く押して離れる。



「嫉妬ってなに、天沢ちゃん」



余裕な笑みでそう聞いてくる先輩の顔ってば
なんだか憎めないよ。



言わなきゃ、また先輩怒っちゃいそうだから
恐る恐る先輩に目を合わせ、尖らせながら口を開く。