美人の知り合いに、嫉妬してしまうなんて。
勝ち目ないくせに、情けない。
これじゃあ子供が駄々をこねてるのと一緒だよ。
それでも、『ごめんなさい』の一言がでてこない。
そんな私を見て、なにを思ったんだろう。
そっぽ向く私の顎を掴み、ミア先輩は噛むようなキスをしてきた。
ほんと急にだ。
舌が痺れる様な激しいキスだった。
「んっ……!」
ミア先輩の胸板を強く叩いても、ビクともしない。
それなのに、キスの激しさは増すばかりで
息の仕方さえ忘れてしまう。
離れて、くっついて、離れて。
繰り返されるキスに、涙がでてくるのは
全然甘く感じないから。
こんな冷たい先輩からのキスは初めてだ。
死んじゃう。
ダメだよ。
海で溺れるよりもずっと
ーー苦しい。


