急にハッと我に返り、自分達の世界から戻ってきた。
そういえば……お姉さんが!と、私が後ろを振り返る前に、ミア先輩が金髪男の前に立つと。
「その子、お前らみたいな"小物"。相手にするような女じゃないから。
いい加減離れな?」
先輩の背中しか見えないのに。
ニコッと笑っている先輩の目が、全然笑っていないのが想像出来る。
金髪男は倒れている男と目を合わせると、コクりと頷いて「チッ」と舌打ちをしながら去っていく。
女の私じゃ全然手に負えなかったのに。
ミア先輩が来たら一瞬で、終わった。
よっ……よかった。
ホッと一息吐いて、再び先輩の背中に目を戻すけど。
動かない美人と、なぜか見つめ合ったままのミア先輩。
あれ……なんだろう。
二人の間に、なんだかおかしな空気
触れてはイケない雰囲気が漂ってる。


